中古車の輸入が制度上困難な国々

Q)中古車の輸出を考えていますが、現地側で中古車の輸入規制がある国はどこですか。

 A)中古車の輸出については数多くのお問い合わせが寄せられますが、世界中には自国産業保護育成などの理由により、中古車の輸入を禁止または実質的に制限している国々が多くあります。現実にはこれらの国々向けにも統計上、日本から相当数の中古車が輸出通関されているようですが、ビジネスとしての実態は不明です。
 

<アジア> 

1.中国 
商業目的の中古車輸入は原則禁止されています(商務部「自動車貿易政策:2005年16号令」第7章 第37条)。長期滞在駐在員の個人用として1台に限り持ち込むことが認められますが、これも左ハンドル車に限られ、右ハンドル車の一般走行は禁じられています。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/trade_02/
2.タイ 
同国でも国内産業保護育成と環境汚染抑制の観点から輸入許可品目とされ、かつ中古車といえども規格基準への適合(車両重量3,500kg以下)が求められ、関税も含め厳しい輸入条件が課せられることから、ビジネスとしての輸出は事実上不可能です。輸入許可の条件は主に個人用、政府関係、再輸出目的に限られます。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/asia/th/trade_02/
3.インドネシア 
中古車の輸入は2007年2月28日以降、一旦停止(2006年12月29日付商業大臣文書第1311号)となり、その後、中古財の輸入に関わる商業大臣令(57/M-DAG/PER/12/2008)が公布されましたが、輸入可能な中古財リストに自動車はありませんので、同国における中古車の輸入は認められていないことになります。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/asia/idn/trade_02/
4.ベトナム 
輸入可能な中古車は左ハンドル車のみ。右ハンドル車は輸入前に左ハンドル仕様に改造されたものを含めて輸入禁止です。すなわち日本車は輸出できません。 
左ハンドル車といえどもタイと同様に規格基準への適合と高関税+特別消費税がかかる厳しい状況によりビジネスとしての輸出は事実上不可能です。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/asia/vn/trade_02/
5.インド 
同国の自動車法(Motor Vehicles Act, 1988)と安全基準CMVR(Central Motor Vehicle Rules, 1989)など諸条件をクリアすれば制度上は輸入可能ですが、実態として高関税や煩雑な手続きなどを全てクリアしたうえで、輸入販売の認可を受けるのは極めて困難で、商業ベースの中古車輸入は殆ど無いのが実情です。 
実際に日本からの輸出にあたっては船積前検査(インド政府指定検査会社)と検査機関発行の型式認定(Homologation Certificate)への適合証明が必要とされていますが、中古車についてはコストに見合わないなどの理由で対応していません。
6.パキスタン 
商業目的の中古車輸入は禁止されており、パキスタン国籍の個人が個人所有あるいはギフトとして持ち込むケースなどに制度上は限られています(中古品の輸入禁止品目=Import Policy Order, APPENDIX-C、個人貨物の例外Personal Baggage Schemes=通達666(I)/2006号)。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/asia/pk/trade_02/
7.カンボジア 
新車/中古車の区別なく右ハンドル車の輸入は禁止されています(政令No.209 ANK.BK)。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/asia/kh/trade_02/
 

<中南米> 

8.チリ 
原則輸入禁止です。例外として、フリーゾーンのある第1州(イキケ)と第12州(プンタ・アレナス)は可能ですが他州への販売はできません(法第18.483号、第21条、1985年12月28日官報)。フリーゾーンから周辺国への再輸出は可能ですが、再輸出先国の輸入制限等により大きく影響を受けます。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/cs_america/cl/trade_02/
9.ペルー 
輸入可能な車両条件の1つに左ハンドル(製造時点では右側であったものを後に改造した車両は不可)であることがあります。これまでは例外としてイロ、マタラニの輸出加工区(CETICO)でハンドル改修業が認められていましたが、2012年末に廃止が決まっています(法29303;2008年12月18日公布)。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/cs_america/pe/trade_02/
10.アルゼンチン 
原則輸入禁止です(公共歳入連邦管理庁決議2146/2006)。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/cs_america/ar/trade_02/
11.ブラジル 
中古財の輸入に関する法令(91年 通達8号)では、国産品が存在しない中古生産財の輸入は認めています(第22条)が、中古消費財の輸入を禁止しています(第25条)。従って、中古車を輸入申請しても開発商工省貿易局(MDIC/SECEX)に却下されます。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/cs_america/br/trade_02/
12.メキシコ 
自動車令により中古車輸入は禁止されています。また、日墨経済連携協定(2005年4月発効)においても第7条(輸出入制限)付属書2によって日本製中古車の輸入を禁じています。一方、NAFTAからの輸入には自由化傾向がみられます。
13.コスタリカ 
右ハンドル車の国内走行は禁止されていることに加えて、左ハンドルへの改造車は登録に当たってRITEVE(自動車登録機関)に当該自動車メーカー作成によるハンドル変換が可能であることの証明書の提示が求められるため、実質的に右ハンドル車の輸入は不可能です。
14.パナマ 
右ハンドル車の国内走行は禁止されています。
15.パラグアイ 
右ハンドル車の国内走行は禁止されています。
16.ドミニカ 
右ハンドル車は輸入禁止です(税関総局2008年10月6日付)。
17.コロンビア、エクアドル、ベネズエラ 
アンデス共同体自動車補完協定に基づき、コロンビア(法令2685号)、エクアドル(外国貿易投資審議会決定184号)、ベネズエラ(法令3679号)それぞれ国内法により中古車および同部品の輸入を禁止しています。
 

<アフリカ> 

18.南アフリカ 
中古車は貿易管理法(International Trade Administration Act, No.71 2002)に基づく輸入許可品目ですが、商業目的の中古車輸入には輸入許可が発給されず、実質輸入禁止です。条件は個人用・特殊車両などに限られます。 
日本から相当数の中古車が同国向けに輸出されていますが、これらは同国を経由して第三国へ再輸出されているようです。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/africa/za/trade_02/
19.エジプト 
右ハンドル車は輸入禁止です。左ハンドル車の車齢条件等は輸出入法施行規則付表2を参照。 
【貿易管理制度】 http://www.jetro.go.jp/world/africa/eg/trade_02/
20.ナイジェリア 
右ハンドル車は輸入禁止です。詐欺事案も多く、注意を要します。
 

<その他の地域> 

21.ウズベキスタン 
右ハンドル車は輸入禁止です(閣僚会議決定No.90、道路交通安全保障に関する追加的措置、1993年2月17日付)。
22.カナダ 
車両安全法(Motor Vehicle Safety Act)および同安全規則(Motor Vehicle Safety Regulations)に基づく安全規格基準への適合が求められ、米国およびカナダの自動車安全基準への適合証明書がないと輸入できません。 
【連邦運輸省】Importing a Vehicle into Canada: 
http://www.tc.gc.ca/eng/roadsafety/safevehicles-importation-other-than-index-446.htm  
 
 
関係機関 
日本中古車輸出業協同組合: http://www.jumvea.or.jp/j/index.php